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2022/05/30

相続放棄と遺族固有の慰謝料放棄について【自賠責保険】

「遺族固有の慰謝料は,遺族個人の請求権」

 

相続放棄の申立は,相続開始を知った日から3ヶ月以内に,被相続人が最後に住んでいた市町村を管轄する家庭裁判所に申請しなければならないとされていますが,被相続人が交通事故によって死亡し,自賠責保険に対する請求を行う場合で,かつ,相続人らが相続放棄の意思があるような場合には,家庭裁判所が発行する「相続放棄申述受理証明書」を自賠保険会社に提出し,相続放棄の意思を表示する必要があります。

 

一方で,被相続人の死亡の際には,通常,遺族ら(配偶者,親,子等)には亡くなられた被害者本人の損害賠償請求権を相続するとともに,相続人等に対しては「遺族固有の慰謝料」(自賠責保険では550万円~)に関する請求権が発生します。当該遺族慰謝料は相続財産ではないため,仮に相続放棄が承認されている状況であっても,遺族らは個別に自賠責保険に対し,遺族慰謝料を請求できます。

したがって,前記裁判所の相続放棄申述受理証明書のみでは遺族慰謝料の放棄まで表示したことにはならないため,仮に自賠責保険に対するすべての請求権を放棄するためには,別途,遺族慰謝料も放棄する旨を記載した書面(念書等,書面は任意。遺族慰謝料放棄者の署名捺印(実印),印鑑証明書添付)の提出が必要です。  

このように相続放棄の事案では,〈遺族慰謝料の請求意思の有無〉をご遺族に確認していただく必要があります。確認の結果,遺族慰謝料をも放棄するとなった場合は,前記の念書等の書面を取り付けが必要になります。