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2021/08/14

主治医を見る【治療先を選ぶときのポイント】

「手当てとは,触れることから始まるんですよ」

この言葉は,とある整形外科の先生に言われた言葉です。弊社は,よく後遺障害に関する調査をおこなう際に,治療を担当していただいた主治医に面談を行っていただきますが,本題の面談が終わった後の雑談の中でおっしゃっていただいた言葉です。

病院や医師によって後遺障害の認定の結果が変わる?

残念ながら,これは実態として実務上では散見されます。全く同じ条件での比較はできないため,調査員の経験則による体感になってしまいますが,ある一部の医院作成の診断書は非該当率がやたらと高い・・・という印象を感じたことのある弁護士の先生も少なくないと思います。医療機関や医師個人によって治療方針はまったく異なりますし,診断書への記載量や記載内容の信憑性によっても認定結論は左右されています。ただし,これらに関しては患者側では如何とも対応し難いところが実情です。

患者とトラブルになる医師・医院の特徴?

弊社に来る相談事案の大多数はすでに揉めている(後遺障害が認められなかったなど)ケースです。このような事案の中には,主治医とのコミュニケーションが上手くいっていないことから,一般的な治療経過を辿っていないことも少なくありません。一般的な治療経過を辿っていない事実は,往々にして後遺障害審査にて不利益な結論に直結することがあります。

患者側が主治医に対して大なり小なりの不満を持っている事案は比較的よくあります。もちろん,主治医側の対応は極めて適切と思われる事案もあれば,残念ながら首を傾げざるを得ない事案もあり,一概にどちらが悪いといえないような事案もあります。このような事案をいくつも担当する中で,患者側が医師に対して不満を頂いているケースに共通している部分が見えてきました。

それは「診察の際に触診がない」ことです。

ある日,この点について弊社がよくお世話になっている開業医の先生に一般論として尋ねたことがあります。

主治医面談を終えた後のやりとりにて・・・

川井:「そういえば,この前ご紹介させてもらった患者さんが,先生のように丁寧に触診してもらったのは初めてで,とても感動したって仰られてました!実際触診してくれる先生って少ないんですかね?」

医師:「多くはないかもね〜。患者さんの数にもよるだろうけど、経験年数が重なるほどに過去の経験が現実の患者さんの症状より優先されちゃうことはあると思うよ。」

川井:「類似のケースが増えて,忙しくなるとそうなっちゃうんですかね。」

医師:「ただね,実際のところ患者を触らないと何も分からないよ。触ってくれない医者は,患者さんの主訴に対して“その程度の関心しかない”って風に考えた方がいいと思うよ。」

川井:「え,そんな感じなんですか?(汗)」

医師:「だってさ,医療者の間でよく言われることだけど,私らが患者さんに行う手当てっていうのは,読んで字のごとく“手”を“当てる”って書くんだよ。患者さんを触りもしないで適切な手当てなんで出来るはずないと思わない?」

 

僕はこの日を境に,“触診をする医師”は少なくとも患者さんの主訴に関心を持って接してくれてるのだと思うようになりました。逆に言えば,机やPCにしか体が向かない先生には,少し警戒するようになりました・・・。

まとめ

これまで多くの医師の先生とお会いしてきましたが、確かに触診している医師の医院では患者とのトラブルも少ないように思います。患者側の目線でいえば,きちんと触診をしてくれる医師の先生の方が治療を安心してお任せできるのかな・・・と思います。

特に,交通事故事案は後々「あの日あの時の患者の症状はどうだったか」という部分で争いになることが少なくありません。後で振り返ったときにきちんとした記録が残ってないと,症状の有無や程度について争うことは難しいケースが出てきます。また,定期的に患者さんの症状を記録しておくことは,医師側にとっても後々の言った言わないなどのトラブルに巻き込まれないための防衛策になると思います。