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2021/10/07

公正中立な調査 ーモラルリスク事案への対応ー

「損害に対する適正な補償を、これが弊社の使命です」

弊社へのご相談のおおよそ8割から9割が被害者事案のご相談です。つまり,「後遺障害が認められなかった」「事故による怪我ではなく既往症だと言われた」「治療期間を争われている」「自賠責で相当因果関係を否定された」などのご相談です。これらの相談はいずれも被害申告があるため,この申告に基づいて調査を行います。

モラルリスク事案

形態的には被害事故であっても,お話しを窺っているとこれはいわゆる「モラルリスク事案」ではないか?と感じるような事案もあります。つまり怪我をしていない,または極めて軽傷であるにも関わらず不相応の補償を請求している事案です。ただし,この「不相応」という部分はかなりきわどい部分で,痛みの感じ方や閾値は人によって千差万別のため,本来は赤の他人がこの部分を正確に推し量ることはできません。

したがって,被害者の訴える痛みが真実であるかについては我々では分からない部分があるため,事故に関連する事実を並べ,真実を推測することが必要になります。そのため,この「事実」が不足している場合には,被害者の訴える真実を証明できないとの結論に至ることも多々あります。

被害者側からの相談によるモラルリスク事案

端的に言うと,物損状況が極めて軽微,かつ,治療状況が長期に及んでいるものが多いと思います。中には保険金詐欺のような,ありもしない事実をでっち上げて請求している事案もあります。このような事案の場合,非常にセンシティブなのは,物損状況が軽微であっても受傷に至る方々は一定数いらっしゃることです。中には,既往症等のいわゆる身体的・精神的な素因によって損害が拡大された結果,治療が長期に及んでしまうケースもあります。また,CRPSのように,受傷程度に反して症状が重篤な事案もあります。

したがって,我々としては物損が軽微であることをもって直ちに「不相応」と判断することは憚られます。ただし,上記のような不相応とは判断できない事案であっても,本件事故との関連を裏付ける「証拠」が必要になるため,現実問題として補償を実現できないという事実を突きつけられることも少なくありません。

加害者側からの相談によるモラルリスク事案

弊社は原則被害者側からの相談を受け付けていますが,顧問契約事務所および一部の事務所様に限ってはいわゆる「加害者案件」も対応しています。ただし,弊社が対応する加害者案件についてはあくまで弊社における主観にて「過大請求」であると判断できるものに限っています。これは日頃被害者救済の為に日々奔走している身からすると,重箱の隅をつつくような主張によって被害者への補償を減額するようなことは避けたいと思っているためです。

一方で,弊社が過大だと判断する事案については対応します。中には事故による被害ではないにも関わらず,補償を受け取ろうと目論んでいる方もおられます。これは故意にそのようにしている場合もあれば,気がつかないうちにそのような状態になっている場合があります。後者の場合には,当初は悪意でなかったとは思われるものの,やはり事故による損害ではない以上適正な補償とは言えません。残念ながら,このような過大請求の一部は認められている背景があり,これが真の被害者の損害補償へ影響しているところもあります。

被害者に対する適正な補償という意味においては,虚偽や過大請求に立ち向かうこともまた,被害者救済の一環と理解して日々活動しています。